ピロリ菌検査

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患者の気持ち

ピロリ菌とは

正式名は”ヘリコバクター・ピロリ”と言い、ヘリコとは「らせん」「旋回」という意味です。バクターとはバクテリア(細菌)。ピロリとは胃の出口(幽門)をさす「ピロルス」からきています。ピロリ菌は胃の中にある尿素をアンモニアと二酸化炭素に分解し、アンモニアで酸を中和することにより、自分の身の周りの酸を和らげて生きています。

ピロリ菌と疾患

胃の壁を傷つけ、胃の守っている粘液を減らし、酸の攻撃を受けやすくしてしまうので、胃炎や消化性潰瘍を発症させる要因になります。ピロリ菌が胃壁に取り付くと細胞を弱めてしまう毒素を出し始めます。
すると菌をやっつけようと血液中の白血球が付近に集まります。
両者の戦いが大きくなると、胃粘膜の消耗を早め、粘膜が炎症を起こして胃炎になったり、胃や十二指腸の粘膜が深くえぐられて消化性潰瘍になったりすると考えられます。
また慢性蕁麻疹や特発性血小板減少性紫斑病にピロリ菌が関与していると言われています。

こんな症状がある方は検査をおすすめします

  • 胃や十二指腸潰瘍の経験のある方や、再発をくりかえす方
  • 消化性潰瘍と診断された方
  • 胃がん家系でご心配な方
  • なんとなく胃の具合がいつも悪い方
  • 慢性蕁麻疹や特発性血小板減少性紫斑病の方

ピロリ菌検査の方法

呼気でおこなう場合

診断薬を服用し、服用前後の呼気を集めて診断します。
簡単に行える方法で、感染診断前と除菌療法後4週以降の除菌判定検査に推奨されています。

血液検査でおこなう場合

採血にてピロリ菌抗体を測定します。

糞便にておこなう場合

糞便中のピロリ菌抗原を測定します。

内視鏡で行う場合

内視鏡検査では、胃炎や潰瘍などの病気があるかどうかを直接観察して調べますが、それと同時に、胃粘膜を少し採取しそれを使って検査する方法です。

ピロリ菌治療について

平成25年2月から保険で認められるピロリ菌除菌療法の適応疾患が拡大され、従来の胃潰瘍などに加え、ピロリ菌による胃炎に対しても保険で除菌が可能となりました。
ただし、適用には胃カメラ(食道・胃内視鏡)による検査が必要です。

ピロリ菌が原因で胃炎や胃潰瘍などを起している場合は、ピロリ菌を除菌する治療を行います。除菌は、胃炎の進行、がんの発生予防、潰瘍の再発防止に有効であるだけでなく、胃のポリープを縮小、消失させることも期待できます